しゅろそう (棕櫚草)
学名 |
Veratrum maackii |
日本名 |
シュロソウ |
科名(日本名) |
シュロソウ科 |
日本語別名 |
オオシュロソウ |
漢名 |
毛穗藜蘆(モウスイレイロ,máosuì lílú) |
科名(漢名) |
藜蘆(レイロ,lílú)科 |
漢語別名 |
|
英名 |
|
2008/07/01 小石川植物園 |
|
|
2012/08/10 長野県麦草峠 |
|
|
2016/08/25 霧ケ峰 |
|
|
|
辨 |
シュロソウ科 Melanthiaceae(藜蘆 lílú 科) には、世界に16-19属、約170種がある。
Amianthium(毒蠅草屬)
リシリソウ属 Anticlea(棋盤花屬)
カラフトソウ A. sachalinensis
リシリソウ A. sibirica(棋盤花) 絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
アメリカシライトソウ属 Chamaelirium(仙杖花屬)
シライトソウ属 Chionographis(白絲草屬)
タイワンツクバネソウ属 Daiswa(蚤休屬)
Helonias(沼紅花屬)
ショウジョウバカマ属 Heloniopsis(胡麻花屬)
キヌガサソウ属 Kinugasa(衣笠草屬)
キヌガサソウ K. japonica(Pqris japonica)
Melanthium
ツクバネソウ属 Paris(重樓屬)
Pseudotrillium(溪齡草屬)
Schoenocaulon(羽柄花屬)
Stenanthium(羽鈴花屬)
Toxicoscordion(毒蒜花屬)
Trillidium
エンレイソウ属 Trillium(延齡草屬)
シュロソウ属 Veratrum(藜蘆屬)
Xerophyllum(熊尾草屬)
Ypsilandra(丫蕊花屬)
Zigadenus(沙盤花屬)
|
シュロソウ属 Veratrum(藜蘆 lílú 屬)には、25-55種がある。
Veratrum album 歐洲・シベリア・極東ロシア産
カラフトシュロソウ V. anticleoides 極東ロシア産
コウガイシュロソウ V. bohnhofii
ケバイケイソウ V. dahuricum(V.dolichopetalum, V.album var.dahuricum;
興安藜蘆) 朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・極東ロシア・シベリア産 『中国本草図録』Ⅲ/1432
タイワンシュロソウ V. formosanum(V.shuehshanarum)
V. grandiflorum (V.puberulum;毛葉藜蘆・蒜藜蘆・毛葉藜蘆・人頭髮)
臺灣・浙江・江西・兩湖・四川・雲南産 『中国本草図録』Ⅶ/3429)
シュロソウ(広義) V. maackii
オオシュロソウ(シュロソウ) var. japonicum(V.nigrum var.japonicum,
V.maackii var.parviflorum f.japonicum;黑紫藜蘆)
タカネアオヤギソウ var. longibracteatum(V.nigrum subsp.maackii var.parviflorum
f.alpinum, V.maackii var.parviflorum f.longibracteatum, V.maackii
var.parvifloum f.alkpinum, V.longibracteatum)
ムラサキタカネアオヤギソウ f. atropurpereum(V.nigrum subsp.maackii
var.japonicum f.atropurpureum, V.longibracteatum var.atropurpureum)
ナガバシュロソウ var. maackii(毛穗藜蘆・馬氏藜蘆)
朝鮮・山東・遼寧・吉林・黑龍江・極東ロシア産
タンナアオヤギソウ f. coreanum(V.coreanum)
ホソバシュロソウ var. maackioides 『中薬志Ⅰ』pp.523-527、『中国本草図録』Ⅴ/2423
ホソバアオヤギソウ f. virescens
アオヤギソウ var. parviflorum(V.nigrum subsp.maackii var.parviflorum)
シュロソウ var. reymondianum
「以上の、アオヤギソウ、シュロソウの類は、環境により、形態、花の色などに変化が多く、
種、変種の区分がむずかしく、学名の扱いかたもなかなかめんどうである」(『日本の野生植物』)。
IPNIは、これらを var. maackii と var. parviflorum にまとめる。
V. mengtzeanum (小藜蘆・蒙自藜蘆・披麻草・小棕包) 貴州・雲南産 『全國中草藥匯編 上』pp.95-96
オオバイケイソウ V. naximum(V.oxysepalum var.maximum, V.grandiflorum var.maximum)
チョウセンシュロソウ(広義) V. nigrum (藜蘆・黑藜蘆・山葱・鹿葱・憨葱)
歐亞温帯産 『中薬志Ⅰ』pp.523-527・『中国本草図録』Ⅸ/4430
チョウセンシュロソウ var. ussuriense
コシジバイケイソウ V. nipponicum
V. oxysepalum
バイケイソウ var. oxysepalum(V.album var.oxysepalum, V.album var.grandiflorum,
V.grandiflorum, V.alpestre;尖被藜蘆) 『中国本草図録』Ⅲ/1433
V. puberulum (毛葉藜蘆・人頭髮) 『中国本草図録』Ⅶ/3429
V. schindleri (牯嶺藜蘆・天目藜蘆・閩浙藜蘆) 華東・兩湖・兩廣産
コバイケイソウ V. stamineum
ウラゲコバイケイ var. lasiophyllum
ミカワバイケイソウ var. micranthum
V. stenophyllum (狹葉藜蘆・披麻草・七仙草) 四川・雲南産 『全國中草藥匯編 上』pp.95-96
V. taliensis (大理藜蘆・披麻草) 四川・雲南産
|
訓 |
和名は、茎の基部に古い葉の繊維が残る様子を、シュロの糸になぞらえて。 |
『本草和名』藜蘆に、「和名也末宇波良、一名之々乃久比乃岐」と。
『延喜式』梨蘆に、「シゝノクヒキ」と。
『倭名類聚抄』藜蘆に、「和名夜末宇波良、一云之々乃久比乃木」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』藜蘆に、「シユロサウ 日光ラン」と。 |
漢名の藜蘆(レイロ,lílú)は、「黑色は黎と曰う。其の蘆は、黑皮有りて之を裹(つつ)む。故に名づく」と(本草綱目)。 |
説 |
北海道・本州に分布。
全草ことに根は有毒。 |
誌 |
中国では、シュロソウ属の植物のうち、チョウセンシュロソウなどの根を藜蘆(レイロ,lílú)と呼び薬用にする(〇印は正品)。 『中薬志Ⅰ』pp.523-527 『全国中草葯匯編』上/930-931
V. dahuricum (興安藜蘆)
ナガバシュロソウ V. maackii(毛穗藜蘆)
〇チョウセンシュロソウ V. nigrum (藜蘆・黑藜蘆)
V. puberulum (毛葉藜蘆・人頭髮)
V. schindleri (天目藜蘆・刑氏藜蘆)
V. taliensis (大理藜蘆・披麻草)
また、次のものの根・全草を小棕包と呼び、薬用にする。 『全國中草藥匯編』上/95-96
V. mentzeanum (小藜蘆・蒙自藜蘆・披麻草・小棕包)
V. stenophyllum (狹葉藜蘆・披麻草・七仙草)
|
|